Art Connection

一アートファンの見た事、あった事、面白かったものなどの紹介です。

斎野ハルカ展 リリシズム Gallery White Cube

2/24 丸の内にあるギャラリーGallery White Cubeさんで斎野ハルカさん展 「リリシズム」を見に行きました。

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一度ピアニスト、フルートの方ともう一人の画家さんとライブペイントをしているのを拝見させていただいた事がありまして展示されるとのことで足を運ばさせていただきました。

抽象画、主に油彩、キャンバスやアクリルの版の上に描かれていました。

作品として、丸キャンバスにアクリル板で透過した重なりで不思議な色合いを出した作品や油彩による鉱物を模した作品、サンゴや海の中を表した作品など興味深い作品が多数展示されていました。

鉱物の断面図の図鑑を見せて貰ったんですが自然が作り出したものと思えないものが多数ありそういった所から抽象のイメージを絵に持ってくるというお話が印象的でした。

ホワイトキューブは部屋の全面を白で覆った空間で直に絵を描けるという特徴のあるギャラリーさんですがエウロパという作品が描いてあり木製の衛星を模した巨大な絵が書いてあり、星という名前の生き物のような、、

鉱物、星や海の生き物などを絵に収める色合いが自然のような抽象画を見る事ができました。
  

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「シャングリラ」という作品でした。丸キャンパスにアクリルボードの不思議な色合い。

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壁に直書きされた「エウロパ」という作品です。

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エウロパ」全体

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右から珊瑚を模した抽象画、海の中を模した抽象画シリーズ。

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鉱物を模した抽象画から、真ん中の赤の強い作品は「春の訪れ」という題名でした。
右の大きめのキャンバスが「ニライカナイ」でこの意味は鹿児島奄美の伝承の事です。
この場所うは豊穣や命の源であるこの世とは別に存在する他の世界、この世に豊穣を運んでくる神様がいる所という話です。
異世界の話を模した作品。 

様々なものの印象を描く色とりどりの抽象画の展示でした。

シャガール展 三次元の世界 名古屋市美術館

2018 2/16 シャガール展 三次元の世界 名古屋市美術館

名古屋市美術館で2017年12月14日(木曜日)から2018年2月18日(日曜日)まで行われていて滑り込みで見てきました。

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シャガール1887年7月7日〜1985年3月28日)色彩豊かな絵画が有名な画家で、今回は陶器や彫刻などの立体、銅板や木版画や絵画においても画面の分け方奥行きの取り方や色彩による立体感の割り出しなどを視点にしている展示でした。

シャガールはロシア出身ですが、主にフランスで活躍した芸術家です。
今回元々ロシア出身で故郷に帰った時の作品やユダヤ人であったシャガールはドイツのナチスの迫害などを理由にアメリカへ亡命していた頃の作品などがありました。

気になったのはマチスのフォービズムやピカソキュビズムに影響を受けたと書かれた作品で、シャガールは確かシュルレアリスムピカソキュビズムを否定していたといった記事を見たことがあってそうなのかと思っていたのですが、それに影響を受けた作品が数展ありその辺りも興味深かったです(調べてみると当時のムーブメントなので画家として影響を受けても当然だという印象を受けました)
シュルレアリスムの本当の元はシャガールだという話もあるらしくそれも興味深い点でした。

また、シャガールは63歳から彫刻を始めたのですが、作り方も絵画をそのまま彫刻にするなどこの展示では下絵と下絵に対する色付けなどシャガールが彫刻作品を作るにあたり試行錯誤をした経過が見ることができました。
シャガールにとって彫刻は絵画の立体化のような印象でした。

今回の展示で主になっていた作品は愛の画家と称されるよう妻に向けた作品が多く、おなじみの牛、やぎ、ニワトリや魚のモチーフの作品など相変わらず見ることができました。


前回見た展示では幻想的なシャガールブルーと呼ばれる青色で有名なステンドグラスの下絵やオペラ座の天井画の下書きなど仮にプロジェクションマッピングにしたもの、色彩の豊かな絵画などをメインにしてましたが今回こうしたシャガールの技術的な視点を主にした展示をみれてよりよくわかった気がします。
地味に4回くらいシャガール展見にいってる気がする、、

青森県立美術館で同じテーマで展示やるみたいですね。
バレエ、アレコの背景画が収蔵されているのでちょっと遠いけど見にいってみるのもいいかもしれません。

 

※何年か前にパリ・オペラ座に行った時に撮ったものです。 

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シャガール (タッシェン・ビッグアートシリーズ)

シャガール (タッシェン・ビッグアートシリーズ)

 
もっと知りたいシャガール 生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)

もっと知りたいシャガール 生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)

 
シャガール:色彩の詩人 (「知の再発見」双書)

シャガール:色彩の詩人 (「知の再発見」双書)

 

 

 

サンガツ「簡単なルールから音楽をつくってみよう presented by LIVERARY」 千種モノコト

2/11(日) サンガツ「簡単なルールから音楽をつくってみよう presented by LIVERARY」 千種モノコト


2/12日に愛知県芸術劇場であるサウンドパフォーマンスプラットフォーム〜知覚の解放体験〜に出られる世界でご活躍されてるサンガツさんのワークショップをプレでやるとの事で紹介、LIVERARYさんの抜粋、引用します。

サンガツは、批評家・佐々木敦主催のレーベル「HEADZ」よりリリースを重ねてきた国内ポストロック/現代音楽シーンにおける最重要バンドのひとつ。これまでにホナガヨウコチェルフィッチュ真鍋大度擁するRhisomatiks(ライゾマティクス)などさまざまなジャンルのアーティスト/クリエイターらとコラボレーションを果たし、国内外のアートフェスなどにも多数出演してきた。

一般的なバンドフォーマットの形態を脱ぎ去り、ある意味現代美術的な視点/スタンスへと変遷を遂げていった、現在進行系のサンガツ。今回のWSも彼らの作品と地続きであり、「音楽」というものに対して追求してきたアウトプットのひとつと言えるだろう。あなたもこの機会に「音楽とは何か?」という根源的な問いをともに探求してみてはいかがだろうか。

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との事で行ってきました。

会場のモノコトさんに着きワークショップ会場に入るとばら撒かれた楽器たちと、それを触って遊ぶ大人たちと感じの良いお兄さんたち、、


楽器あると誰でも触っちゃうよね。

ワークショップの入りは自分の好きな楽器を使ってルールに従って音を順番に鳴らしていくという物でした。

順々に紹介していきます。
かなりやった数多かったんで覚えているものだけになってて申し訳ないです。

・楽器を順番に徐々に小さい音で演奏する。

簡易のアコーディオン鳴らしてたんですがめっちゃ音でかくて大変でした。
楽器でだいぶアドバンテージが出ます。

・最初の人がリズムを叩く、その順番でそのリズムを真似しながら1音ずつ回す。

うまくやれるときは楽しいんですがリズムが崩れまくります、、

・図形を自分の気に入った音で表現してみる。

まず最初にちっちゃい子がやってたんですがかなり的確な音を出していてびっくりしました。
こういう発想は子供の感覚を本当に見習いたいです。

トーンチャイムという楽器を使い、楽器を振って指された人が他の人を指しながら音を鳴らす、指された人がまた他の人を差して音を鳴らす、その繰り返し。
右手に持ったものと左手に持ったものを同時に音を鳴らした時は全員一斉に音を鳴らす。その後同時に鳴らした人が次の人を指す。
両手を膝に当ててミュートしたときは全員がそれをする、その後指示の人が次の人を指しそれを繰り返す。

これ綺麗にやれるととても楽しくて、調子に乗って順番回しまくったりみんなで音鳴らしたり全員でミュートかけたりして楽しんだりしてました。
たまに順番がバグります 笑

トーンチャイム


ハンドベル(デスクベル)を押して音を鳴らす、それを鳴らした人がそれを持って移動、移動中全員止まる。
そして、またチャイムを置いて音を出すと全員が動ける。
もし、その動作が二人以上同時になった場合近くのチャイムを持って鳴らしながら全員で歩く。
また置いたら元に戻る。

これめっちゃ面白かったです。
ダルマさんが転んだっぽかったですが中入るとかなり必死に反応しなきゃならなくて外で見てると凄まじい動きをしている中の人たちを爆笑しながら見れました。
全員になったときは暴れてる人もいたりして、、

デスクベル




・自分でルールを作ってその通りに演奏する。

これも面白くてエアコンの風が出たらとか、順番作ってこうなったらこうとか全員でやるとかなりカオスな音楽になりました。
自分はハーモニックパイプ(下の様な楽器)を人に当てずに常に回し続けるというルールを作って回しまくってましたが肩が痛かったです、、



正直思ったのはこういった遊び感覚でやれる音楽はほとんどないんですよね。
参加したことないのですが、小さい子がやるリトミックとかこんな感じなのかな。

自分もそうですが人に聞かせるために譜面通りに弾く、音を出すこと聞いてもらうことに全神経を集中みたいな事だけでなく、誰でも楽しく簡単にとっかかれる音楽もあるのだよと。

「自分は楽器できないんで、、」みたいな声も聞くこと多くて音楽ってそんなに敷居の高いものではないよ、というのが浸透していくと良いのだろうなと思います。
上手にやる事に視点が行くこと、そうあるべきという考え方の方が大多数ですが音楽は聞くのもやるのも楽しむ物、と一応筆者は音楽やってる人間なのですが、そういったことを思いました。


Night Map

Night Map

  • provided courtesy of iTunes
Liquid IV

Liquid IV

  • provided courtesy of iTunes

 

サンガツ

サンガツ

 

 


サンガツ - Night Map / Sangatsu × Rhizomatiks at TPAM in Yokohama



 

 

 

 

 

林修平、鈴木雄大、近藤拓丸 「AUTO」@ N-MARK

AUTO

林修平、鈴木雄大、近藤拓丸さん
長者町にあるTransitbillにあるN-MARKさんで名古屋芸術大学東京藝術大学多摩美術大学の学生の方の展示でした。


「自閉」と「定型」という曖昧な境界線、その状態と能力がどういうものなのかを芸術の視点からメディアを使った作品の展示でした。


指パッチンすると切り替わる場面、同じ写真の反復や規則性など、自分も子供の時繰り返すの大好きだったのでなんとなく理解できる衝動ではありました、今でもその兆候はあるかも、、


哲学者の小倉拓也さんをお招きし、「リフレイン/テリトリー/アート--哲学的「自閉」概念と芸術の存在論と題しまして、哲学の視点から見た「自閉」と芸術の関係についてお話を伺えるとのことで「哲学」は本で読んだことはあるのですが哲学者の話を聞く機会は全く今までなく興味を惹かれお話を聞かせていただきました。
ジャック・ラカンジル・ドゥルーズというフランスの哲学者さんの研究をされているそうです。

まず、第一に哲学は「概念」の抽出だそうです。

今回「自閉」という概念を抽出する為、ロビンソンクルーソーの孤島での生活を自閉の状況と見立て、他者の存在とは何か、今自分たちが見ている世界の奥行きはどうして知覚できているのか、自分と他者を切り分けているものが何か、などをまず切り分けました。

その上で自閉の能力の特異性である反復と常道や固定的な興味、感覚に対する臨床を哲学の視点から行なっていました。

他人がいる、というのは自分というものを壊す存在だそうです。
自分だけお腹減ってたらお腹減ってるで済まされることが、他人がお腹減ってなかったらお腹減ってないという考えもあることを知ってしまうという自分の世界を壊す存在。

他者に壊された世界を守るためのの反復、常道行動だそうでそのリフレインを「家」とジル・ドゥルーズは呼んでいるそうで同じことを道しるべに自分の世界を守ることが自閉においてのその行動の意義だそうです。
リズムは今だと流れという意味に捉えられがちですが、そうではなく本来「形」という話も面白かったです。
その形を反復させ家を作り他者から壊される世界から安全に自分に戻って来る措置を行なうこと。

また、アートに置いてこの家があることが条件でそこから解放された時に可能性が見出される事が必要条件とのことです。

個人的な捉え方になりますが、この言葉を「当たり前を解放してありえないものを作り出す」といった印象を受けました。

大学院でクリティカル・ロジカルシンキングの授業はとったことあるんですが、哲学者のロジックは全く異質だよとは聞いていたんですが、徹底的に論理的な印象。

新しい世界を教えていただき大変興味深く貴重な経験ができありがとうございました。

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果てのファンタジア 港文化小劇場

果てのファンタジア

名古屋でご活躍されてるダンサー倉地可英さんに御誘いいただきまして見に。

詩的で抽象的なミュージカル、実験的な部分もあったのかな?

ストーリー上でセリフも少なく音楽やダンスを中心に進んでいく形で、ダンスはタップ、フラメンコと音楽もクラシックからロックまで色々な物を織り交ぜてよくあるミュージカルではなく、アーティストの得意なものでストーリーを組み立てている形でした。

面白かったのはセットが固定で何で場面を変えていたかというとプロジェクションマッピング
これを使って曲中ミュージックビデオのような作りもしていたり、何かの中に囚われているような演出もあったり、動いていく場面を作っていたりなどファンタジーならではの演出もありとてもびっくりしました。

可英さんのダンスは個人的に朧げで、動いていなくても何かが動いているような間が非常に素敵でした。


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平山素子 加藤訓子 DOPE 愛知県芸術劇場

なんども試みててなかなかチケット取れてなかったところ運よくゲットでき無事見ることができました。


9人のパーカッショニストマリンバやグロッケン、声などを担当する人で通常12、13人で演奏されるミニマルミュージックの創始者スティーブライヒのDrummingを一人で演奏するパーカッショニストの加藤さんとコンテンポラリーダンサーの平山素子さんのダンス。


個人的に今まで見てきた大雑把な記憶と印象としてコンテンポラリーダンスライヒで良く踊ってるイメージがあるのですが、もっとスタンダードなものかと思ったらこの曲の生演奏でダンス作品で残るものはほとんど行われていないそうでそれも興味深い現象だな、と。

まあ普通に国内でやっててそもそもこの曲演奏しようとか思わないだろうなとも思ったけど、、笑

加藤さんの音は演奏が正確なのはもちろんですがライヒの録音のよりも柔らかくてなんとも言えない微妙な歪みが優しく感じられる音でした。


平山さんのダンスもミニマルが意識下にあるのか動作が少なくてそれでも小さい動きの柔らかさと流麗さが素敵でした。

 

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アフタートークで平山さんのミニマルで踊るのは初めてでこの曲は難しいし踊りたくなかったけどそこに何かあるんじゃないかと思って承諾した、という言葉が印象的でした。

常々思うんですが失敗を恐れず正当な修練とアイデアを蓄積して踏み越える事の大事さを思います。

Art Connection開始。

愛知県で活動しております音楽家 近藤寛峰(ヨシミネ)のblogです。

Artを繋ぐ事を目的に何か伝え残せないかと考えArt Connectionと名前をつけblogを始めることにしました。

筆者は元々音楽家でライブハウスやバーを出入りしておりました。
とある画家さんのライブペイントをする事になり、絵画、写真の世界を知る事になりギャラリーなどに出入りする事になりました。
また、ギャラリーなどではコンテンポラリーダンスなどもアートパフォーマンスとして行われこうしたダンサーの方はダンススタジオや劇場などを軸に活動されていました。

劇場などではミュージカルなどたくさんのアーティストの方が参加しておられました。

こうした場は知る人ぞ知るになりがちで、その特定のことに興味がある方が通われるか、そのご友人の方かといった形になりやすい傾向があるように思えます。


そこで、その中にある素晴らしい作品の紹介、音楽やダンス、絵画や写真の展示、アートパフォーマンス等こういったものがあるのだという紹介をしていけたらいいなと思っています。

つたない文章の中でどれだけ伝わるかという部分はありますが何卒宜しくお願いしたします。
素晴らしい作品に出会えること、おごましいことではありますが、見知らぬ作品と見る人、各自のアートを相互につなげことができたら本望です。

素敵な作品に出会えます事を。

2018.2.3 近藤寛峰