Art Connection

一アートファンの見た事、あった事、面白かったものなどの紹介です。

京都 建仁寺

京都は建仁寺へ行ってきました。
建仁寺は1202年、栄西禅師を開祖に開かれた禅寺です。
室町時代、江戸時代と経て明治時代に臨済宗建仁寺派として大本山になりました。
また俵屋宗達の書いた国宝「風神雷神図」や数々の襖絵、竜の天井画などが有名です。
日本でも古い禅寺として多くの人が訪れる場所になっています。
重要文化財の「方丈」千利休の高弟が好んだ茶室「東洋紡」など多くの建物や美術品の重要文化財を収めている寺です。

 

まず入り口に俵屋宗達風神雷神屏風レプリカ。

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書にてしたためられた風神雷神

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海北友松は桃山時代の画家で彼によって書かれたものは多く重要文化財として残っています。
それらは元は襖絵でしたがその多くは掛軸へ改変されたそうです。
その中の一つ「雲龍図」を高精細デジタルで襖絵に複製したものを展示してありました。

#1
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雲龍図#2

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明治2年(1765年) に小泉淳作により法堂(拈華堂)に書かれた双龍図
手を叩くと竜の鳴き声がする場所がありました。
大きな天井に描かれた双龍の絵は圧巻でした。

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古くから残ったものだけでなく現代アーティストによる襖絵の展示もしてありました。
元々は海北友松の襖絵があった場所です。
先にも書いた通り襖絵は掛軸へ改変されているそうです。

開山800年記念で装飾画家の鳥羽美花さんによって書かれた襖絵「凪」
白黒はどことなく水墨画を想像させます。 

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同じく開山800年記念で装飾画家の鳥羽美花さんによって書かれた襖絵「舟出」
青による陰影と連なった線が美しい作品でした。 

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禅の教えで重要な記号四角(地)三角(火)丸(水)を書いたものです。
この3つの記号は禅の奥義とされているそうです。
ざっくり書くと四角は囚われた心、社会の常識、ここから抜けだす入り口。
三角は座禅、仏と一体となった形。
丸は宇宙、絶対的な真理を表すそうです。

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達磨大使
インドから中国へ禅を伝えたそうです。

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国宝 俵屋宗達「風神・雷神屏風」
宗達の最高傑作と呼ばれるものです。
俵屋宗達尾形光琳と時期同じく琳派と呼ばれる流派の祖で特徴は装飾性と優れたデザイン性にあると言われています。
この風神雷神屏風は臨済宗建仁寺派寺院妙光寺の再興の記念に描かれたものをそこにいた高僧が建仁寺に転任の時に持って行ったそうです。

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日本の禅文化、美術など西洋の物とまた違った趣がありまた自分の生まれた国のものです。
禅はインドから中国へ渡来し形を変え日本にやってきた文化です。
西洋の人が目を向けたから残っている、という話もありますが仏教とともに禅など馴染みのあるものを日本人自身がよく知る事は非常に有意義な事だと感じました。

新版 古寺巡礼京都〈23〉建仁寺

新版 古寺巡礼京都〈23〉建仁寺

 



 

Art in Park Hotel Tokyo 2018

3/11(sun)Art in Park Hotel Tokyo 2018に行ってきました。

ホテルに数々のギャラリーが入り、そこで展示を行っていました。
元々はArt Osakaという同じくホテルで行われていたアートフェアと同じ企画です。
Art Osakaも去年行ったのですが、ホテルという場のせいか飾った状態がみれるのが良いので今回も見に行きました。

Art in Park Hotel Tokyo 2018の入口
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まず、面白かったのは最上階にて部屋がアーティストのデザインルームになっていて、泊まってみたいと思わせるような作りになっていました。
お相撲さんを書くアーティストさんの部屋はその絵のデザインがされている、等。

この手のも写真が微妙そうで、よく知っているGallery APAさんスペースのみの写真です。

針金作家の橋寛憲さんと画家のニシムラマホさん。

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イソコ(麻雀牌)と言われるとイソコにしか見えなくなるマジック。

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ニシムラマホさんの絵。

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ArtOsakaもですがたくさんのアートがあり飾った状態で見れるので、何もわからない状態でもアートコレクターになるためには入りとしてもってこいのアートフェアだと思いました。
アートとは何か、ということを知るためだけでも来てみると、とても興味深いものだと思いました。

オープンスペース 2017 未来の再創造 @NTT Inter Communication Center

3/11日、NTT Inter Communication Centerで行われていたオープンスペース2017 未来の再創造へ行ってきました。

メディア・アート作品をはじめ,現代のメディア環境における多様な表現をとりあげ,幅広い観客層に向けて紹介する展覧会だそうで、メディア・アートにおける代表的な作品,先端技術を取り入れた作品,批評的な観点を持つ作品,さらに研究機関で進行中のプロジェクトなどを,作品の理解を助ける解説とともに展示し,作品を楽しむだけでなく,その背景にある現代の多様化したメディアやコミュニケーションの在り方,現代社会における問題,未来への展望や,さらに新しい感性や美意識について考えるきっかけとなることをめざしているとのことです。
いくつか撮れないものあり飛び飛びですが紹介して行きたいと思っています。

 

扱っているのは建築による空間の制作や知覚を刺激するアートでほとんどが体感型のメディアアートでした。


まず建築、設計。

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hereringという作品です。


これはデヴァイスと空間を結びつけて音がなる仕組みのものでした。
デヴァイスの位置を色々な空間、場所に持っていくと音がなる楽器。

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これは下のパネルの顔をペンで引っ張ると正面の顔に表情が出ます。
結構怖かった 笑

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Emergencies!という企画だそうです。
知覚を刺激するメディアアート、うまく使えば色々なことに応用できそうです。

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この浮いた物体にタグ付けしてあるそうです。

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Atlagという作品でこれを通してタグ付けした物体を見ると物体に固有した音がなる仕組みのものでした。

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Oto-megane

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三原聡一郎さん 「鈴」という作品でした。
自分の作ってる作品と似たものを感じました、、

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スグウェン・チャンさん作 ドローイングオペレーション 

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また、写真撮れなかったやつで面白かったのは以下です。

グレゴリー・バーサミアン「ジャグラー
オーラ・サッツ「銃弾と弾痕の間で揺らめいて」
evala「Our Muse」「大きな耳を持った狐」

evalaさんのは時間の関係で行けず、これは無響室(全く音がならない部屋)を使用した作品だそうです。
「無響室では心臓の音が鳴っている、人は無響の空間においても音から逃れられない」とは現代音楽家ジョン・ケージの言葉ですが、しばらくあるならこれを体感するためだけに行きたかったりしてます。

絵画、彫刻、映像、音楽やインスタレーションときて現代の芸術はメディアによる体感型アートへの変換が始まっているのだそうです。
また、メディアと別にバイオテクノロジーを軸に宗教、経済等を題材にしたアートが現在のアートになっていくのでは、というようです。
知覚を刺激するメディアアートに多く触れることができました。

坂本龍一 Is Your Time @NTT Inter Communication Center.

3/10日ホテルに泊まり、その夜にたまたまテレビつけたら、坂本龍一さんがドキュメンタリーで東日本大震災津波に流されたピアノを使った設置音楽展をやってるとのことでした。
3/11で呼ばれているのかなという予感がしましてNTTインターコミュニケーションセンターに見に行ってきました。
どこ行ってもなんですがこの手の引きめっちゃ強いんですよね、、笑

 

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ドキュメンタリーでは地震の波形を音に変換してピアノで鳴らしているがそれは誰にもまだ言ってないとおっしゃってました。
受け取る人がどう受け取るか限定したくなかったそうです。

 

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中に入るとボロボロのピアノに自動演奏装置がつけられ数10枚ディスプレイの光と共に音が鳴っていました。 
聴き入る人や歩いて回る人、ピアノの周りと部屋の隅っこや様々な場所で何を考えているのだろう、という人がたくさん展示の現場にいました。

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「もとはモノだったものが、人によって変形され、時間と共に、あるいは巨大な自然の力によってまたものに還って行く。」

本来自然は制御できないもので、情け容赦なく分け隔てなく全てを奪い去って行く現象にもなり得ます。
それは、とても強力な力です。
人が生きて行くためにはその力、自然を制御する必要があり、科学を発展させることにより人はそれを制御できるようになる。
自然に従っては生きてはいけないが、それでも従わざるを得ない巨大な力である事を忘れることはできない。
そして、時間が経ちそれを忘れ、更に制御しようとし、何度も何度も失敗してやり直してというのが人間が発展してきた循環なわけです。

流されたピアノを見て、またその音を聞いて言葉にならない感覚を覚えました。


現在出されてるアルバム「async」の映像コンペの入賞発表も見れたので見てきました。

人が関わるものやストーリーのあるもの。
子供達の遊び場での出来事を非日常的に捉えた作品や日常的なものを切り取って不思議な世界にした作品が選ばれていました。

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async

async

 

ASYNC - REMODELS

ASYNC - REMODELS

 

 


Ryuichi Sakamoto | async


Ryuichi Sakamoto - "andata" (from "async")

 





3331 Art Fair Chiyoda

Art Fair Tokyo2018と同じく東京アートパスポートというものが発行されていました。
そこに含まれていた千代田区の3331 Arts Chiyodaという場所で行われている3331 Art Fair Chiyodaへ行ってきました。

 

建物である3331 Arts Chiyodaは旧練成中学校を利用して誕生したアートセンターで、地下1階、地上3階の館内には、アートギャラリー、オフィス、カフェなどが入居し、展覧会だけでなくワークショップや講演会といった文化的活動の拠点として利用されているそうで、当施設は千代田区文化芸術プランの重点プロジェクトでできた建物だそうです。

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まず屋上から回り始め。

都内の小学校の運動場は屋上なんですね。
芸大生の教授からの推薦作品などが展示されていました。

屋上での展示①

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屋上での展示②

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展示室①

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展示室②

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展示室③

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ここでも多くのギャラリーが出展していました。
ギャラリー、作品共に数はArt Fair Tokyoよりは少なかったですが、すっきりしていてとても見やすく手に入れやすいものが多く出展されていました。
各部門の推薦アーティストの作品なども多く、これからの新しいアーティストの方の作品も多く展示されていました。
いきなり大型のフェアーに行くよりはこちらの方が動きやすかったです。
入り口でBookMarketやっててこちらも絶版の図録などプレミア付いてましたがそれでもアートにまつわる書籍が数多く出されていて、これらのアートがどういったものか理解する為の書籍にぴったりのものが多くある印象でした。

オフィスゾーンではアート関係のイベント企画会社さんや、ギャラリー等一つの場所で多くの機能をもつ建物で、小学校を再利用してこうしたことをしているのに深く感動を覚えました。
アートに関わる為の入り口としては入りやすいフェアーだと思いました。

 

Art Fair Tokyo 2018

東京である国内最大のアートフェア Art Fair Tokyoへ行ってきました。

アートの買い付けというと、どことなくブルジョワな雰囲気がしますが、おそらく手が出ない額の中でどんな作品があるのか楽しみにしながら。

所有してみるとしたら、というのを考えて一つ買うなら、とか考えながら見てみました。

Art Fair Tokyoは国内はもちろん国外からもたくさんのアートコレクターが集まるイベントだそうです。

今回出店していたギャラリーの数はおよそ100。

国内のアートマーケットのレポートなんかも付いていてどれくらい市場でどういった美術品がどれくらい売れているか、や国ごとの判別など現在のアートコレクターがどういったものを求めているか、など細かく書いてあるパンフレットを渡されたりしてびっくりしました。
東京の有名ギャラリーさんもちらほら。

 

マップはこんな感じ。

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マティスの作品も出展されてました、ピカソの落書き?も出展。
この辺は値段が笑えます。


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ギャラリーブース1

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金沢の工芸工房f:id:galfin0312:20180316001433j:plain

 

ギャラリーブース2

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ギャラリーブース3

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パリコレで出展されてたYohji Yamamotoの服に絵を書いていた内田すずめさん。
地味にファンで幸運にもご本人に遭遇して写真取らせてもらうというびっくりな事件も😵

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ものすごい数のギャラリーと人で目移りする中様々な作品を見ることができました。工芸品から洋画、抽象画、日本画や書、彫刻や立体作品など、大規模なフェアということでより多くの数と種類の多さを肌で感じることができました。


そして、今回ギャラリーの数多く、写真はギャラリーに聞いてくださいとの事で中々写真が撮らづらく少しになってしまったのですが、本当にたくさんの作家とその作品を見ることができました。

最近ではこうした芸術、絵画や写真も含め特に現代アートは奇をてらったようなものや、ぶっ飛んだ作りのものが多いです。

それは、美しいと思うもの、あり得ない物、よくわからないものに遭遇したときどういう風に自分が受け取るのか、それを受け入れるのか無視するのか好きになるのか嫌いになるのか、どういったリアクションを取るのか、普段わからない自分に出会うことができる面白みがあります。

また、その作品のバックグラウンドのストーリーを知ってみることも楽しみの一つだと思います。 

自分の思いつきの範囲を超えた作品に出会う事は新しい自分に出会うことにもつながるのではないでしょうか。

豊永洵子 ダンスパフォーマンス 長久手文化の家

長久手文化の家に、去年パフォーマンスでご一緒させて頂いてた豊永洵子さんのコンテンポラリーダンスパフォーマンスへ。
長久手はこういった文化的なことにとても力を入れている印象があります。


まず最初は、豊永さん振付けのトリオ作品「ぐれい」という作品を見ました。
津曲晴子さん、杉山絵里さん、風岡美沙さんによるパフォーマンス。

タイトル通り掴み所のない作品で正直にいうと文章にすることを考えていたのですが中々説明しずらい作品でした。
それは、身体でしか表現できないことへの挑戦に見受けられました。

同じことを繰り返していたと思ったら別では違うことをやりだしたり、重なりあったりなんとも言えない画面の転換を随時繰り返していく作品でした。
題名は後に見たんですが確かに「ぐれい」な空間。
色は見えないけど身体で表す曖昧な中間にある色合い。

豊永さんのソロ作品は「TUBEROSA」というそうです。
最初はどうにもならない感情を吐き出すようなダンスを黒い服で踊り、その後一旦暗転して白い服への場面の転換があり異世界での体験を表現するようなダンスを踊っておられました。

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同時に2つの作品を振り付けするというのは困難なことだったように見受けられましたがコンテンポラリーダンスの面白いのはもちろん身体の動きもですが、それプラスで身体が全てじゃなくて作品の展開など作品自体に魅力があったりすることだなと実感します。