Art Connection

一アートファンの見た事、あった事、面白かったものなどの紹介です。

林修平、鈴木雄大、近藤拓丸 「AUTO」@ N-MARK

AUTO

林修平、鈴木雄大、近藤拓丸さん
長者町にあるTransitbillにあるN-MARKさんで名古屋芸術大学東京藝術大学多摩美術大学の学生の方の展示でした。


「自閉」と「定型」という曖昧な境界線、その状態と能力がどういうものなのかを芸術の視点からメディアを使った作品の展示でした。


指パッチンすると切り替わる場面、同じ写真の反復や規則性など、自分も子供の時繰り返すの大好きだったのでなんとなく理解できる衝動ではありました、今でもその兆候はあるかも、、


哲学者の小倉拓也さんをお招きし、「リフレイン/テリトリー/アート--哲学的「自閉」概念と芸術の存在論と題しまして、哲学の視点から見た「自閉」と芸術の関係についてお話を伺えるとのことで「哲学」は本で読んだことはあるのですが哲学者の話を聞く機会は全く今までなく興味を惹かれお話を聞かせていただきました。
ジャック・ラカンジル・ドゥルーズというフランスの哲学者さんの研究をされているそうです。

まず、第一に哲学は「概念」の抽出だそうです。

今回「自閉」という概念を抽出する為、ロビンソンクルーソーの孤島での生活を自閉の状況と見立て、他者の存在とは何か、今自分たちが見ている世界の奥行きはどうして知覚できているのか、自分と他者を切り分けているものが何か、などをまず切り分けました。

その上で自閉の能力の特異性である反復と常道や固定的な興味、感覚に対する臨床を哲学の視点から行なっていました。

他人がいる、というのは自分というものを壊す存在だそうです。
自分だけお腹減ってたらお腹減ってるで済まされることが、他人がお腹減ってなかったらお腹減ってないという考えもあることを知ってしまうという自分の世界を壊す存在。

他者に壊された世界を守るためのの反復、常道行動だそうでそのリフレインを「家」とジル・ドゥルーズは呼んでいるそうで同じことを道しるべに自分の世界を守ることが自閉においてのその行動の意義だそうです。
リズムは今だと流れという意味に捉えられがちですが、そうではなく本来「形」という話も面白かったです。
その形を反復させ家を作り他者から壊される世界から安全に自分に戻って来る措置を行なうこと。

また、アートに置いてこの家があることが条件でそこから解放された時に可能性が見出される事が必要条件とのことです。

個人的な捉え方になりますが、この言葉を「当たり前を解放してありえないものを作り出す」といった印象を受けました。

大学院でクリティカル・ロジカルシンキングの授業はとったことあるんですが、哲学者のロジックは全く異質だよとは聞いていたんですが、徹底的に論理的な印象。

新しい世界を教えていただき大変興味深く貴重な経験ができありがとうございました。

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